【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/前日準備編

前回までのレポートはこちら↓
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/移動日編

今回は前日準備編です。
と言ってもIRONMANなどのロングレースにおけるレースマネジメントは、IRONMAN台湾のレースレポートの方が詳しく書いてあると思うので、ガチの方はそちらご参考ください。

前日準備は計画的に

ショートのレースだと、「前日準備」という言葉はあまり聞き馴染みがないかもしれません。
通常、ミドル~ロングのレースでは前日までにまずアスリートチェックインを行い選手本登録を完了し、ナンバーや参加賞など受け取った上でトランジットの準備に移ります。
トライアスロンは「スイム→バイク」「バイク→ラン」の2つのトランジットがありますが、ミドル~ロングのレースでは2つのトランジットの準備を前日に行い、大会側のチェックを受けて初めてスタートに立てるレースがほとんどです。
さらに2つのトランジットの場所が同じエリアにあればラクなのですが、それぞれの場所が離れていると前日準備はかなり緻密にスケジューリングしないと間に合いません。
ちなみに2016年に出たセントレア知多半島の70.3も2つのトランジットは離れていたので、前日準備に半日費やした記憶があります。なので国内/海外問わず、ミドル~ロングレースに出場される方は要注意です。


(たいていは事前にトランジット情報などが大会ページに出てます)

今回のプーケット70.3は比較的ラクな方で、アスリートチェックインは公式ホテル、2つのトランジットも公式ホテル目の前のビーチエリア、かつ前日チェックインが必要なのはバイクのみで、バイクギアバッグ(スイム→バイクに必要なものを入れておく袋、大会側から支給されます)やランギアバッグ(同じくバイク→ランで必要)のチェックはありませんでした。あまり規制は厳しくなかった印象です。
ロングのレースになると、これにさらに「スペシャルニード」というバッグも加わってきます。ランの途中で特別な自分用のアイテムを受け取れる用のバッグなのですが、これも前日準備が必須です。


(前日のイベントスケジュール)

上記のいろいろクリアしなければならない項目を、それぞれ受付時間が異なるため、限られた時間内で行う必要があります。
よって前日準備に入る前に、「前日準備のスケジューリング」をしっかりと行うのが吉かと思います。

アスリートチェックイン

まず最初に行うべきはアスリートチェックインです。これが無ければ始まらない!

(会場まで「チャリで来た。」)

マラソン大会とかのエントリー受付とあんまり変わりません。注意点としては、身分証明書としてパスポートを必ず持参すること、なるべくバイクで行くこと、ぐらいです。
このタイミングで色んなアイテムを袋に詰めた状態でもらいます。大事なものは、「タイミングチップ」「ナンバーシール」「スイムキャップ」「バイクシール」。

  1. タイミングチップ
  2. タイム計測用のチップです。足首に巻きます。これ当日に忘れるとほんとシャレにならないです。走っても記録残りません。。。

  3. ナンバーシール
  4. 綺麗に貼るのが難しいやつです。大会によってはスタッフに貼ってもらえます。失敗すると当日に油性マジックで書かれる場合も多々。

  5. スイムキャップ
  6. エイジごとに色が分かれていたり、男女ごとだったり、大会によりますが、大会名が入ったキャップがもらえます。当日はこれを被らないとダメです。

  7. バイクシール
  8. ヘルメットやバイクフレームに貼るシールです。「pump」と書いてあるのは空気入れ用です。


(ボヤけてますが透明のブレスレット?に「ALL WORLD ATHLETE」って書いてあります)

僕はちゃっかりAWAブロンズになってたので(ロング3本も出てたらそりゃなるだろ)、アーリーチェックインみたいなエリアで受付しました。あんまりVIP感はありません。笑
さらにAWAの人はスイムキャップが変わります。「AWA」という文字が結構目立つので、自分みたいにスイム苦手人間からすると恥ずかしいです、、、

※AWAとは
All World Athlete の略です。ちょっと説明難しいので、こちらご参考ください。

エキスポ

IRONMANのイベントの中で、楽しみにしている人も多い「エキスポ」。
バイクメーカーやトライアスロンウェアメーカー、大会オリジナルTシャツやオリジナルバイクウェアなど、その大会でしか手に入らないものが売ってます。
価格はそんなに安くないですが、せっかくなので買って行こうって感じの人も多いです。

(Zootはどこでも見かけますね)

バイクメーカーはQuintana Rooが来てました。ウェアはZootが多かったです。人気のHUUBはなかった気がします。もっと写真撮っとけよってツッコミは甘んじて受け入れます。
バイクパーツもちゃんと売ってるので、何かトラブルがあってもご心配なく。
N君は大会オリジナルTシャツを購入、「これええわぁ~」とご満悦の様子でした。

バイクメカニック

エキスポのすぐ近くには、バイクメカニックエリアがあります。どの大会でも絶対にあります。たいていは地元のバイクショップの人が来てやってくれます。
簡単なチェックやオイル挿しなら1,000円ぐらい、ボトルゲージの取り付けなんかもやってくれます。僕ももちろんお世話になったことは何回もあります。大会によっては全部無料でやってくれる場合もあります。大会前日のトライアスリートにとってはこの上なく頼れる存在に感じます。

ただし難点として、非常に混みやすいことが挙げられるかと思います。そもそもメカニックの人数も多くないのですが、そんなにトラブル発生するか?というレベルで人が並んでます。
皆さんレース前の安心を得たいのだと思いますが、さすがに並ぶには列が長すぎて、目の前を通り過ぎるだけでした。。。

ただバイクに不安要素がある、まだ組み立てや設定に慣れていない、という方は時間を使ってでも行くべきだと思います。不安を抱えたまま挑むレースほど嫌なものはないので。

バイク試走

とりあえずアスリートチェックインを終え、エキスポを楽しんだので、バイクの試走をします。
レース前日に気合い入れて結構なスピードでランしたりバイクでハードに追い込んでる外国の方をよく見かけますが、あれはどうなんでしょうか、、、自分はやりません。
以前出た大会で試走中に落車しホイールが折れ曲がってしまいDNSになった人を見てから、前日ガチめに走るのには割と否定的です。

(舗装が綺麗なところはこんな感じでした)

試走と言ってもガンガン飛ばすわけではなく、バイクがちゃんと走るかどうか、ブレーキが効くかどうか、ヘルメットが緩んでないかどうかの基本的な確認や、コースの路面感触チェック、余裕があればDHポジションで軽くスピードを出して走ってみる、程度です。
また補給ストレージにジェルをいくつか入れているので、その個数やカロリーチェック、サドルに付けているボトルゲージの取り出しがスムーズにいくかどうかの確認も同時に行います。

試走の結果、路面は予想よりも整備されており、平地はかなりスピードに乗れそうな感触です。
バイク前半に10%越えの山登り区間があるのは事前のコースチェックで認知しており、坂が苦手な僕としては不安でした。
また3ヶ月ほど前に尾根幹走行中、フロントタイヤのパンクにより落車したことが頭に片隅にあり、パンクに対する恐怖心も若干ながら残っていました。

(マックではなくマクドです)

ちなみにこの日のランチはマクドナルド。笑
カロリーの高いファーストフードの気分で、バイクですぐにたどり着けそうな距離だったので、サクッっとマクドランチしてきました!

スイム試泳

バイク試走のあとは、スイム試泳です。
以前は特にスイムへの苦手意識が強かったので、海での試泳はしなかった(しても変わらないと思っていた)のですが、プールでちゃんと泳ぐ練習をし始めてからは、プールと海との違いを認識する必要性を感じ、試泳は必ず行うようになりました。
今回は試泳といっても思いっきり泳ぐのではなく、水温チェックと軽く浸かる程度にとどめました。ちゃんと泳ぐのは当日の朝で十分と判断したためです。

(ガチで泳ぐというより、まったりしている人が多かった)

水温は非常に高く(たぶん28℃以上あった気がする)、水質もまぁまぁ良くて泳ぎやすそうな感触でした。
ウェットスーツいらないかもねー、なんて話をN君としていましたが、後でレギュレーションをよく読むと長袖長ズボンのウェアは禁止と明記されてました。ちゃんと読めよ自分。
というわけで、当日はノーウェットに決定です。

バイクチェックイン

夕方近くになりバイクチェックインへ。
バイクシールのチェックと、バイクとともに1枚写真を撮られて、終わりです。

(なんてわかりにくい写真なんだ)

バイクラックの自分の番号札が貼られた位置にバイクをかけ、明日のトランジットのシミュレーションをします。僕はバイクシューズを裸足で履くタイプなのですが、スイム後に足に砂が付いた状態でシューズを履くのがどうしても嫌なので、ちゃんと洗い流す用の水も用意します。
また走行中にエイドでボトルを受け取るのですが、受け取ったボトルはサドルに取り付けた2つタイプのボトルゲージの片側を空けておいて、そこに詰め込むことにしました。もう片方にはパンク修理ボトルです。

ホテルに戻ってからもやることは多い

ホテルに戻り、ホテル内で晩ご飯。適当にピザとかサラダを食べます。
アスリートで食事を気にかける人も多いと思うのですが、僕の場合は気にせず好きなものを好きな時間に好きなだけ食べます。そこまでストイックにはなれません。笑
食事を終えたら部屋に戻って準備再開です。

ドリンクは、いつも練習の時にも飲んでいる「kentai クエン酸ドリンク レモン」にしました。酸っぱくておいしいです。
本来は500mlあたり1袋なのですが、いつもは750mlに0.5袋とかなり薄めて飲んでます。レースなので、750mlに2袋と、4倍の濃度で攻めます。めっちゃ濃いです。これを2本用意。

ジェルは定番のパワーバー。味にこだわりはないので、Amazonで「パワージェル15個セット」を買ってそのまま箱ごと持ってくるという適当さ。
あんまり補給をガツガツする派ではないのですが、昼間の試走のときに10個ぐらい持っていこうかなーと考えてたので、用意します。余談ですがFELTのストレージ、容量少ないですね。

あとはワセリンやロキソニン、ラングッズ、そして最も大事なタイミングチップを忘れずに用意して終わりです。Garminの充電も忘れずに。

(こういう写真が撮ってみたかった。バイクとベッドに寝る写真はさすがに撮らなかった。)

翌日は朝3時半起きの予定だったので、20時に就寝しました。

前日準備のまとめ

とにかくスケジューリングが全てだと思います。
何時にアスリートチェックインをして、メカニックに行くならこのタイミング、エキスポは何分滞在、など細かければ細かいほど良いと思います。
心に余裕を持つためにも、前倒しで行動できればベストかと。

またミドル以上のレースになると補給が大事とよく言われますが、補給の仕方や考え方に正解はないと考えています。
それよりもオリジナルドリンクを作ってみたり、好きな食べ物を積んだり(過去にブルボンのプチをフレームに巻き付けてIRONMANに出たS君とか)、レースを想定して色々とシミュレーションしてみたり…と、自分なりに考えて準備を進めていくのもロングレースの楽しみの一つなんじゃないかなー、と思います。

今回の目標タイム

ちなみにですが、目標タイムはちゃんと設定してました。

スイム(1.9km):40分
バイク(90km):2時間40分
ラン(21km):1時間40分
合計:5時間5分(トランジット含む)

あわよくば5時間切りたいなー…という感じでした!
スイム遅くね?ってツッコミはナシです。

次回からはいよいよレースレポートです。

今大会のレースレポート一覧はこちら↓
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/移動日編
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/前日準備編
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/レース編:スイムパート
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/レース編:バイクパート
【Race Report】IRONMAN 70.3 Thailand/レース編:ランパート

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