【レースレポート】五島長崎国際トライアスロン大会(バラモンキング)Aタイプ

こんにちは。1月よりチームに参加させて頂いている金澤です。
去る2019年6月23日に、チームより井上さん、服部さん、金澤の3名で長崎県は五島列島福江島で開催された、五島長崎国際トライアスロン(通称バラモンキング)に参戦してきましたので、現地での動きやレースの模様などお送りします。

バラモンキングに興味がある方、いつかはロングディスタンスに挑戦したいと考える方の一助になれば幸いです。


未だ興奮冷めやらぬ、トライアスロンロングディスタンス

目次

  1. レースデータ
  2. なぜ出ようと思ったのか
  3. エントリー・準備
  4. 移動・準備・現地での動き
  5. Swim
  6. Bike
  7. Run
  8. まとめ
  9. 反省・今後に向けて

レースデータ

2019五島長崎国際トライアスロン大会
https://gototri.com/
Aタイプ:Swim_3.8km、Bike_180.2km、Run_42.195km
Bタイプ:Swim_1.9km、Bike_124.0km、Run_21.1km

いわゆるロングディスタンス(アイアンマンディスタンス)と呼ばれる大会ですね。
なお、ITUの世界選手権に繋がる大会でもあり、Aタイプは年代別12位以内かつ年代別1位とのタイム差20%以内。Bタイプは同6位以内かつ同20%以内で翌年の世界選手権に出場することができます。
金澤はAタイプ、井上さん服部さんはBタイプに参戦してきました。

なぜ出ようと思ったのか

トライアスロンのレースデビューは2015年だったのですが、その時から”いつかはロングディスタンス!”という思いが常にありました。
そして1年ほど前から本気で練習に取り組み始め、「いつかと思っていたらいつまでもできない。この勢いでやるしかない」と考え、あまり深く考えずに参戦を決めました。

ただただ、ロングディスタンスレースを走りたいという気持ちからでした。
→エントリーしてから考える!非常に大事!

エントリー・準備

大会自体は毎年6月に開催されているのですが、エントリーは半年前の12月頃行われ、すぐに埋まってしまうため、迷っている暇はありません。
そして何より、宿の確保が非常に困難でした。

抽選後にエントリーが確定するのが今回は2018/12/12だったのですが、その時点で宿を探したところ、元々の数がそこまで多くないこともあり、全く空いていませんでした。。。
情報を探ってみると、常連の方々は大会が終わった瞬間に翌年の宿を既に予約しているのだとか。
半年前なのにもはや後手に廻っていました。驚きです。

結局、知人に紹介して頂いた旅行代理店の航空券付きツアーを申し込み、どうにか宿を確保することができました。
民泊といった方法や、直前のキャンセルによる空室も3月~4月頃に生じていましたが、直前にバタバタするよりは事前に準備できるものはしておいた方がトレーニングに集中できると思いツアーとしましたが、結果的には良かったと思っています。
→エントリーが始まる前に宿は確保しておく!

ちなみに金澤が今回泊まったのはカンパーナホテル
受付、ゴール、バイク受取が至近で大浴場もあり、とても便利で快適でした。


ジェットフォイルが到着する福江港。天気が良くとてもキレイ。

移動・準備・現地での動き

移動方法

福江島に行く方法は何種類があります。以下東京からの行き方です。

  1. 長崎まで飛行機→長崎港からフェリーorジェットフォイル(高速船)
  2. 長崎まで飛行機→長崎からプロペラ飛行機
  3. 長福岡まで飛行機→博多港からフェリー
  4. 福岡まで飛行機→福岡からプロペラ飛行機

どれも一長一短ありますが、金澤は1.の方法で向かいました。

おそらく値段的には4.の成田→福岡までジェットスターで行く方法が最安かと思いますが、下記の通りどのルートでもあまり変わらないので、空港までのアクセスやフライトスケジュールなどを加味した上で各々好きな方法を選択することが望ましいかと思います。

片道料金(2019/6/23時点概算)

福江島までの移動手段
フェリー ジェットフォイル 飛行機
経由地 長崎 18,300 20,940 21,040
福岡 17,040 20,400

※1:時期やフライト時間により変更あり
※2:長崎までの移動は、羽田空港からのスカイマークにて計算
※3:福岡までの移動は、成田空港からのジェットスターにて計算
※4:福江島まで飛行機を利用した際の料金は60日前割引金額


今回利用した高速船ぺがさす2号
船内では飛行機のようにシートベルトを締めて座り、甲板などには出られない

バイク輸送

今回最も悩んだ点です。
離島なのでなんらかの方法でバイク輸送をする必要があるのですが、フェリー&ジェットフォイルもプロペラ飛行機もバイクの持ち込み不可となっているので、運送会社を手配して予め現地に送る必要があります。

選択肢としては以下の4業者がありましたが、費用や梱包の手間など勘案した結果、シクロエクスプレスに依頼して配送しました。

東京⇔福江島_2019年6月23日時点

業者名 送料(往復) その他費用 輪行箱レンタル 費用合計 備考
シクロエクスプレス 13,000 0 3,400 16,400 ・手荷物は往復2,500円(離島は不可)
ヤマト(サイクリングタッグ) 8,664 3,700 0 12,364 ・3辺203cm以内かつ重量30kg以内
・輪行boxは自前準備(緩衝材必要)
カンガルー便(西濃運輸) 24,322 0 3,100 27,422 ・3辺280cm以内かつ重量30kg以内
・離島価額別途必要
佐川飛脚ラージ便 11,664 0 0 11,664 ・3辺220cm以内かつ重さ20kg以内
・離島価格別途必要
・輪行boxは自前準備

梱包には少し手間取りましたが、慣れるとスムーズに行うことができ、梱包キットもしっかりしているのでバイクに傷がついたりといったこともなく、結果的に大正解でした。
ちなみに、現地への到着までに3~4日程度かかるので、到着希望日から逆算してピッキングを行う必要があります。

現地での動き

今回6/21(金)~24(月)の3泊4日のスケジュールで参戦したのですが、大体皆以下のようなスケジュールになるかと思います(説明会は6/21or22どちらか参加)。

6/21(金):移動、受付・説明会①、バイク組立
6/22(土):受付・説明会②、コース下見、バイク預託、トランジションバッグ準備
6/23(日):レース本番
6/22(月):バイクピッキング、移動

福岡からフェリーで6/21の夜に出発し、6/22の朝に到着という方法もあるようでしたが、特に下見をする場合3泊4日でもかなりタイトだったので、余裕を持ったスケジュールが望ましいかと思います。

以上、かなり割愛した内容ではありますがお役に立てれば幸いです。
こういった形で、スタートにたどり着くまでに準備・手配するものが多く、早くもロングの洗礼を受けていました。


初めての遠征に浮かれた心を隠せない

そして、あっという間にレース当日の朝を迎えます。

Swim

当日は3:30に起床し、ホテルのあるゴールエリアから距離があるスタート会場にシャトルバスで向かいます。


朝4:30頃:まだ夜が明けていない

漁港を会場とするスイムは、1周1.9kmのコースをAタイプは2周回、Bタイプは1周回します。
後述しますが、第2ブイ→第3ブイ、及びその帰りの第4ブイ→第5ブイ以外はブイ間の距離もそんなに長くないため、向かうべきブイも視認しやすいです。
また、第4ブイを越えるとブイが3つ(1,2,5)見えるのですが、一番左のブイを目指して泳ぎます。

天気はとても良く、幸先の良さを感じさせました。
バイクのセッティングを行い、ウェットスーツに着替え、スタート地点に向かいます。
フローティングスタートであるため、水中待機となるスタート地点では、バラモンキング予備軍たちが、皆思い思いの言葉を叫び、周りもそれに呼応し、自然とテンションが上がります。

午前7:00、いつもの音と共にいよいよスタート!
長い1日が始まりました。


チームからの参加者たち

前述の通りフローティングスタートであるのですが、参加者全員536人が一斉にスタートします。
当然、激しいバトルがスタート直後から始まるのでかなり大変でしたし、非常に危険でした。
落ち着くまではあえて外側を泳ぐか、どうにか抜け出して場所を確保するのが吉かと思います。

幸いにも、すぐにスペースを確保して、良い感じのペースの方々に合流することができ、多少は流されつつも、大きなトラブルなく1周目アップ。タイムを見ると37分程。
とても良い感じ。というかこの時点でペース的に1500mの自己ベストより速い!

そんなことを考えながら2周目に入ると状況が変わります。
前述の通り、スイム会場は漁港にあり、比較的穏やかなコースで有名なそうです。しかし2周目に入った頃から波がかなり高くなり、しかも最も長い540mのストレートの真正面から来るような波でした。

ここで一瞬焦りましたが、先は長いので無理する必要はないと自分に言い聞かせ、落ち着きを取り戻し2周目も無事にクリア。
1周目よりタイムは落ちましたが、トータルのペースでもなぜか自己ベスト更新!
そして何より、腕の疲労がほとんどなく、かなり体力を残せた状態でバイクへ向かうことができました。

Swim:3.8km
1:17:46(2:02/100m)


第2ブイ→第3ブイの波が高く大変でした。

余談ですが、最近OWSの際にGPSが全然取れないなと不思議に思っていたのですが、GPSを補足する前に測定スタートしてしまうと、その後もGPS、つまりは距離やペース、マップなんかを測定できないまま進んでしまうそうな。
今回それでログをとれませんでした。。。。
皆さんご注意を!

Bike

いよいよこの大会最大の難関であるバイクパートに突入です。
バラモンキングに参加された方に話を聞くと、皆口々に「バイクがヤバイ」、「アップダウンが激しい」、「途中謎の場所にエイドがある」などとバイクコースの厳しさを語っていました。
そんなこともあろうかと、実際に走るイメージを沸かせながら前日に車で下見をしていたときに思いました。
「これはヤバイ」

バイクコースは、福江島全域を走るダイナミックなコースです。
美しい海岸沿いや、見渡す限りの田園風景、静かな山間部など、大自然の中を存分に走ることができます。
上りも多いですが、コースマップ左下の断面図を見るとわかる通り、下りもたくさんあるので飛ばせる区間も多く、とても走りごたえのあるコースとなっています。

Aタイプは島の西半分を2周回して180.2km
Bタイプは同1周回して124km走ります。

スタートしてから13km程は平坦区間が続きますが、その後はゴールまでひたすら上りか下りが続きます。
特に、島の西側~北側の50km~65km付近は、うねったアップダウンがひたすら続き、下りでも急カーブが多くスピードを出すことができないので、注意が必要となります。
エイドはおよそ12kmごとに設置されており、水、スポーツドリンク、各種食べ物を補給することができました。

ロングでは常識なのかもしれないのですが、エイドの手前及び越えてすぐにドリンクキャッチャーがあり、エイドでドリンク受取→次のエイドでキャッチャーに回収し新たなボトルにという流れで、常にドリンクがある状態を保つことができます。


Bikeコース断面図:平坦区間はあまりない

スイムを無事に終え、身体もかなり調子が良く、スタート直後は平坦区間が続いたので気持ちよくバイクパートに移ることができました。
しかしすぐにアップダウンが始まり、山間部へ向かうにつれ、その激しさは増していきます。
練習で多少は坂を登ったりもしましたが、本気で対策を行っていなかったことに早くも後悔の念に駆られます。
しかしそんなことは後の祭り。ただただ無心で脚を回し続けます。

アップが多い一方、ダウンも多かったのですが、下りながらのカーブが多く、先が見えない恐怖から思わずブレーキを手にしてしまい、下りを生かしきれない場面も多々ありました。
後ほど常連の方に聞いた話では、ここのコースは下ったあとの上りが多いため、下りのエネルギーを上手く使えば脚をつかわなくともかなり上ることができるということでした。
確かに、先の見えない下りでも実際は緩いカーブだったりという箇所もかなりあったので、コースを詳細に把握しているかどうかでタイム差が顕著に出ると思いました。


まだまだ元気に走り回る

この日の最高気温は31℃。
中盤からは暑さのピークを迎え、熱中症との闘いでもありました。
更には風も強く吹き始め、落車の恐怖との闘いも続きます。
そしてとうとう150kmを超えた辺りから、暑さと疲労と坂の辛さからか、なんだか脳みそが混乱してきて思わず涙が、というか号泣。
齢30となって早1カ月。まさか長崎の離島で自転車で180km走りながら号泣するとは、10年前の自分は想像もつかなかったことでしょう。
そんなことを考えながら、エイドの度に頭に水をかけて、どうにか180kmを走り切ることができました。

バイクのフィニッシュゲートでボランティアの方にバイクを託し、全身の疲れを感じつつも、長い道のりを走り切った嬉しさと達成感を噛みしめながら自然と呟いていました。
「これからフル走るの?」

Bike:180.2km
6:53:57(27.2km/h)Transit含む

Run

ランコースは約10km*2往復、Bタイプは1往復です。
こちらも途中途中にアップダウンがあり、180kmを走り終えた身体にはかなり堪えるものがあります。
5km付近の坂がキツく、特に復路(15kmと35km付近)が苦しかったと記憶しています。
また、7km付近から視界が開け、一面に海が広がりとても気持ちが良いのですが、遠方を走るランナーの姿から、折り返し地点はまだまだ先ということに絶望してしまう虞があるため、あまり遠くを見過ぎないことが吉です。
エイドは約1.5kmごとにあり、内容も水、スポーツドリンク、コーラ、お茶、バナナ、チョコレート、マシュマロなど、かなり充実していました。

フルマラソンを走ったことはありますが、もちろん180km走った後のフルは初めてです。
5kmくらいまでは思ったより快調でしたが、すぐに全身の疲労が脚にもやってきます。
脚が痛いというよりは、ただただ疲れて動かなくなるという感覚でしょうか。
どうにか最初の10kmの折り返しを越えますが、この辺りから熱中症もぶり返してきて、頭痛めまいがひどくなり、足元もふらつき、10km~30kmくらいまでずっと苦しかったです。
エイドの度に水を頭にかけて、ストレッチをし、どうにか次のエイドを目指して進んでました。


Runコース断面図:こちらも平坦区間はあまりない

1往復目を終えスタート地点まで戻ってくると、すぐ近くではフィニッシュエリアでの歓声が聞こえます。
あと半分ある現実に、若干心が折られつつも、すぐに気を取り直して2往復目に向かいます。
まだまだ熱中症の症状はありましたが、日が落ちるにつれて徐々に体力が回復してきました。
そして、立て看板に表示される残りの距離が少なくなるにつれて、脚も軽くなってきます。
ここまでくればこっちのもの。フィニッシュゲートが近づくにつれ、万全の体制でフィニッシュ写真を撮るべく前後の間隔調整を行う余裕も生まれてきました。
一日中支え続けてくださったボランティアの方々への感謝を口にしつつ、とうとう感動のゴール。
長い1日が終わりました。


大勢の方に迎えて頂き感無量でした

Run:42.195km
4:25:54(6:18/km)

Total:226.2km
12:37:37
170/536
M30:11/20

まとめ

結果としては、無事に完走することができ、タイムも目標を達成できたので大満足の1日でした!
レース中は本当につらく、なんて恐ろしい島なんだと思っていましたが、今となっては、「本当に最高のレースで自然が美しく素敵な島だった、ぜひともまた来年も出場してリベンジを」、などと思っています。人間は愚かな生き物です。
しかし、やはり練習や準備が足りなかったと感じる点も多々あり、今後もまだまだ精進しようと思います。

そしてなんと、チームメンバー井上さんは、総合8位&年代別1位という快挙で見事表彰台、そして2020年にオランダで開催される世界選手権のスロットをゲットしました!!
バイク70km付近の登り坂でニコニコしながら筆者を抜き去り、格の違いを見せつけられました。。。
本当におめでとうございます!!

トライアスロンをやっている方は(自分もそうですが。。。)、IRONMANのブランディングやエンターテイメント感に惹かれてしまう節は少なからずあるかと思います。
しかし、自分も含め朝から晩まで闘い抜いて、フィニッシュゲートで家族や友人と喜びを分かち合っている姿を目の当たりにすると、やはりどのレースも平等に素晴らしく、「完走した者すべてが勝者」というトライアスロンの基本理念の尊さを改めて感じました。
国内レースも最高なので、みなさん出ましょう!

また、前日受付やバイク預託なども含めた運営はとても素晴らしく、全くストレスなくレースを行うことができました。
あの広いコースで長時間大きな事故もなくレースを開催する運営の方々には本当に頭が下がります。
福江島の方々の応援もとても温かく、朝から晩まで島全体が一体となって盛り上がっていて、本当に出場してよかったと心から思える大会でした。
ありがとうございました!

ロングを完走するために、お金も時間もエネルギーも相当注ぎ込む必要がありましたが、普段の生活でのタイムマネジメントスキルはめちゃめちゃつきましたし、そしてなにより何ものにも代え難い経験をすることができ、本当に感動するとともに人生においても大きな財産となりました。
なのでみなさん、是非ともトライアスロンを!そしてゆくゆくはロングを走りましょう!元気になります。

そして、今回福江島で行動を共にし、前日の下見では大変にお世話になり、筆者のゴールを待ち続けてくれた井上さん服部さんには本当に感謝です。
また、チームに参加してまだ間もない筆者に温かい応援をしてくださっていたIRONWILLのメンバーの方々、本当にありがとうございました!

レースのハイライトもアップされていましたのでよろしければご覧ください。
ちなみにこちらのムービーは、レース翌日のアワードパーティーで流されており、驚愕の仕事の早さです。
恐るべし長崎国際テレビ
こういった点でも運営の素晴らしさを感じました。

反省・今後に向けて

補給食

補給のタイミングを慎重になりすぎたせいでジェルや補給食がかなり余ってしまい、バイクでもランでもただの重りと化していました。
エイドもたくさんあったので少な目でも意外といけるのかなと感じました。
ライディング中に上手に補給食を食べる方法とともに改善の価値ありです。

坂の練習不足もそうですが、パワーのマネジメントなど、全く戦略的に行っていませんでした。
坂が多い分、その攻め方でタイムや脚の消耗も大幅に変わると思うので、パワーメーターを早急に導入し、計算して坂を上れるようにします。

来年は世界選手権のスロットとります!

おしまい

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