【コラム】この冬、トライアスリートが取り組むべきタスクリスト(バイク編)

バイク担当 中谷です。

12月。
気づけば、カレンダーはすっかりマラソン大会のオンパレード。
2018トラシーズンはいかがでしたか?

冬はマラソン、冬はオフシーズン、それがトライアスリートという生き物。
ですが、ラン一色ではもったいない。

今回は、冬こそ取り組むべき「バイク虎の巻」まとめてみました。

なぜ冬、バイクに取り組むべきか

冬にバイク乗りたくない理由。簡単です。
「寒いから」、これです。

これに対する論破は一つ。
「厚着しろ」、これです。
はい、ここで寒さを言い訳にできなくなりました。
続けます。

トライアスロン大会のみしか出ないアスリートで言えば、レースでバイクを全開走行するチャンスは当分先になりますよね。
(シクロクロスやクリテに出る人は除いて)

次レースが当分先なら、シーズン中には試せなかったあれこれを練習できます。
冬は、新しいことをじっくり試すいい機会です。

後述しますが、バイクのパフォーマンス向上は「フォーム」「スタミナ」が必須です。
この2つは、いわゆるピラミッドの底辺。

参照元:https://pt-leaf.com/athlete-performance-up/

底辺がしっかりしてないと、いまにも倒れそうな「東京タワー」みたいに、先細りになります。

基礎が無ければ、インターバルを質量共にこなすことは出来ません。
出来ても強度が足りないか、回数を増やせないか、最悪故障するかが関の山です。

試す→続ける→微調整→また試す、と長期ベースでPDCAサイクルを回し、ピラミッドの基礎を大きくする。
試行錯誤して冬に築き上げたベースは、より強固なものになり、将来的には高くでっかいピラミッドを作れます!

では具体的に何をすべきか?
その一部をここに紹介します。

1.ポジションのチェック

必須度: ★★★☆☆
コスト: ★☆☆☆☆
所要時間:★★★★★

ペダリングフォームの見直し、ぜひ冬に取り組みたいタスクの一つです。
最近ではショップでフォーム診断や、ペダリングセミナーなども積極的に開催されています。

自己流に自信がない場合は、お金を出してプロに見てもらいましょう。
自己流でやる場合の、ポジション変更のTipsをご紹介します。

まず、現状の課題を知る

ロングライド終盤、痛みが出てくる箇所があればポジション変更は要検討です。
どこに痛みが出るか?疲れやすい部位はどこか?
セルフモニターしてみましょう。

ローラー台でチェック

ローラー台が家にある人は、スマホのカメラで横からフォームを撮影してみましょう。
スロー撮影など、便利な機能はぜひ活用。

前から後ろから、多角的に撮るとモアベター。

今やYoutubeで、ペダリングフォーム動画はいくらでも出てきます。
体格の近いアスリートで、どんなふうに乗っているのか観察してみましょう。

最初のポジションは必ずマーキング

バイクを調整する前に、まずは下準備。
スマホで写真を撮るか、マジックでマーキングして最初の位置をメモ。

具体的にはシートポストとサドルレールの目盛り、ハンドルの高さなど。
もし違和感があればすぐ元に戻せるからです。

一度に3mm以上動かさない。

いきなりサドルを1cm上げる、など極端な変更はNG。
変更前と後で、比較が取りづらいです。面倒ですが、少しづつ変えていきましょう。

初めはクリート位置から

ポジションをいじるなら、まずはクリート位置を確認。

左右の足の開き、クリート先端の向き、つま先寄りか踵寄りか、など。
キレイに左右対称でなくてもOKです。

個人的に1番大事と思うのが「踵寄りかつま先寄りか」
これは実際に両方試して、しっくりくる方を選べばいいです。

次にサドル高→サドル前後位置→ハンドル高さ、と順を追って行います。
一度に全部変えると、訳が分からなくなるので絶対にやめましょう。

まずは3日乗ってみる

ポジションを変えたらレッツライド。
違和感があれば、微調整して以下繰り返し。

ポジション変更のゴール

ゴールはずばり、痛みが無く、長時間、速く走れるフォームにたどり着くことです。
とはいえ、「一律にこうすれば良くなる」万人にとっての黄金律はありません。

体格は人によって違いますし、筋肉の付き方が変わっていくこともあり得ます。
「今のポジションが常にベスト」と決め込まず、些細な変化に敏感でありましょう。

自分に合った理想のフォーム、この冬目指してみませんか?

2.ロングライド(LSD)

必須度: ★★★☆☆
コスト: ★☆☆☆☆
所要時間:★★★★★

前述のフォームチェックを、実際のライディングにフィードバック。
2時間以上の乗り込み、欠かさず行きましょう。

LSD(ロングスローディスタンス)は、低めの強度で距離を乗り込む練習メニュー。
しかし、、ただダラダラ乗ればいいってものでは決して無いです。

  • 最初から最後までフォームを一定キープ!
  • 地形や風向きに合わせたギアの選択!
  • 心拍上げない!ケイデンスも落とさない!

とにかく、乱れてはいけません。
集中して取り組み、自分の走りに耳を傾けるのです。
(歩行禅のような無の境地に至りたいですね)


例:走行5時間以上、1,400mアップ

「上りを克服したい」「平坦でもっと飛ばしたい」など、走行面での課題も人それぞれです。
LSDコースには、上りを組み込むことをぜひおすすめします。
上っていれば、だいたい勝手に強くなります。

また、アイアンマンやハーフなど、5時間以上のレースを主戦場とする場合、LSDは身体の鈍り防止に役立つかもしれません。
ロングライドの頻度は個人の好みでいいかと。

そして今は便利な時代。
「やっぱ寒いから乗りたくない」「そんな練習時間取れない」な人、ズイフトを利用しましょう。

ビギナー向け、ズイフト特集はこちら

3.機材のアップグレード

必須度: ★★☆☆☆
コスト: ★★★★★
所要時間:★★☆☆☆

以降は機材面のお話。
冬といえばボーナス。冬といえばクリスマスセール。

通販サイトや自転車屋さんが特価セールを行うこの時期、憧れの機材をササっと揃えてしまいましょう。
冬の乗り込みでテスト、レース本番前に慣れておくのがグッド。

「今の機材でも走れるし。。」
「今は修行中だから、低グレードでいいし。。」

などなど、コスト面から変えない理由を探しがちです。

しかし、あえて言いましょう。
スピードは金で買えます。
お金でラクに速くなれるなら、買わない手はない!!

じゃあ何に投資しようか?ということで以下ご参考あれ。
※どの機材がイケてるかは、個別にご相談ください。

ホイール

もっとも高価、しかし走りが劇的に変わるアイテムがホイール。
憧れのカーボンホイール、いつかは使ってみたいですよね。

最新世代のカーボンホイール達は、ブレーキも効き高耐久。普段使いでも全く問題なし。

45mmハイトくらいだと、上りも平坦も万能で使いやすいです。(写真は55mm)
タイヤとスプロケット、ブレーキパッドもセットで買いましょう。
※必ずカーボンリム専用のブレーキパッドを使いましょう。

コンポーネント

コンポーネント=ギアとかブレーキとかチェーンなどの総称。
シマノのソラやティアグラなど、10速以下で頑張る人はそろそろアップグレードを一考してみましょう。

上位コンポ導入で得られるメリットは、軽量化、剛性アップ、駆動抵抗の削減などなど。
変速フィールやブレーキタッチも良くなります!

個人的には、最新世代の105(R-7000系)があれば十分戦えると思います。
リア10速から11速にアップする場合は、持ち合わせのホイールが11速対応か必ず確認。

オーバルチェーンリング

いわゆる楕円リング。ケイデンスを上げやすくなると言われています。
ポジション変更と合わせて検討しましょう。

「つけた瞬間速くなるアイテム」では決して無いため、ペダリングとともに正しく使うことが肝要。

サドル

お気に入りのサドルも、使うごとにヘタってきます。
インフォームが潰れてサドル高が低くなったり、レールからきしみ音がしたり、など。
指で押して感触をチェックしてみましょう。

痛い、合わない、ペダリングで引っかかるなど、違和感を覚える場合は要検討です。
今のサドルで問題無い、って人は同モデルを新調。

4.オーバーホール

必須度: ★★★★☆
コスト: ★★★★★
所要時間:★★☆☆☆

最後はオーバーホール。(パーツの全バラシ→洗浄→グリスアップ)

トライアスリートのバイクは傷みが激しめです。
汗、潮風、スポーツドリンクの飛び散り、ナンバーシールの糊残りなどなど、、
汚れがつきまくり。

チェーンの黒ずみ、長時間放置していませんか?

そして度重なる輪行で、ネジの緩みを放置。。なんてケースもしばしば見てきました。

シーズンを通して共に戦った相棒、年に一度は労ってあげましょう。

https://giant-store.jp/blog/campaign/2617/
参考:GIANTストアは冬季限定オーバーホール20%OFFのキャンペーン中。

冬の自転車屋さんは閑散期で、売上も忙しさも一段落します。
(寒い冬に自転車買います?という話)
冬の収入源は機材アップグレードや、オーバーホールなど。
本来手のかかる作業ですが、メカニックさんとしても伸び伸びと作業できます。

逆にレースシーズン直前になって、繁忙期のショップにオーバーホール持ち込みはおススメしません。
(ただでさえ納車ラッシュで殺気立つ中、全バラ洗浄などやっている暇ありません。。)

バイクのことよく分からない、時間が惜しい人は、プロに任せてお金で解決しましょう。
ここでケチると、来シーズンになってボルトが錆つき果て、ヘッドが分解出来ないなど悲惨な末路が。。

自分のバイクは自分でメンテしたい、という方もいるでしょう。
しかし、家で出来ることなど限界がありますし、プロの手で隅々までやって頂いたほうが確実に安心できると思います。

今年の汚れ、今年のうちに!

「サイクリストは冬に育つ」

結論はこうです。
「寒いから乗らないはもったいない!」

LSDや筋トレを盛り込んだベーストレーニングで、ピラミッドの底辺をしっかり作る。
機材投資やオーバーホールで、バイク自体の戦闘力も上げる。

まさにダブルパンチで、バイク力を一気に底上げできます。

冬のコツコツした取り組みで、春のスタートダッシュを決めちゃいましょう!

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